★エイリアンが日本の自動車産業を圧倒するか
リバイバルプランを前倒しで達成したゴーン社長としては、唯一気がかりは国内販売計画の未達に違いない。9月2日に実施された創業の地、横浜での前例のない6車種同時披露会について「ゴーン社長の焦りのなせる技」などとやっかむ向きもいるが、これこそ勝負師ゴーン社長のやり方。
企業が将来の展望を示すのはファイナンスとして重要。またクルマのネームを一新するのも、「NISSANは、シフトする」のキャンペーンにそった、新しい日産の決意と受け取れる。欧米社会ではこのようなプレゼンテーションは歓迎される。
しかし日本では不慣れなためか、あるいはこれまでのユーザーを軽視したように感じられたためか、違和感があったことも確かだ。
日本人の前頭葉は白人より重い。これは日本が人との付き合いや思いやりを大切にする社会なので、大脳の前頭葉が白人より発達したのだそうだ。どちらが良いかは価値観の違いとしても、合理的な損得だけでは成り立ちにくいのが日本の社会。
白人社会では普通のことが、日本の特殊性により受け入れられ難いとしたら、それはゴーン社長の計算外なのか。あるいは、外来文化の消化が早い日本人の特質を熟知したうえでの、予定の行動ということか。これから、ゴーン社長の日産丸舵取りの真価が問われる。
今のところ日本の経営者はパワフルで型破りなゴーン社長のプレーを、エイリアンでも見るように恐る恐る傍観しているようだ。が、そのうち恐怖に縮み上がってしまうのか。あるいは、シガニーウィバーのようにエーリアンに立ち向かう経営者が現れるのか。
何れにしても、経営者の切磋琢磨はユーザーのベネフィットを増大させてくれる。楽しみながら注意深く見守りたい。
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