17日、滋賀県八日市市内の近江鉄道の踏切で、荷役用のクレーンアームを下げ忘れたままのトラックが進入し、架線を切断する事故が起きた。死傷者はいなかったが、切断の瞬間にショートして停電。列車35本が運休する被害を出した。
滋賀県警・八日市署によると、事故が起きたのは17日の午前10時50分ごろ。八日市市糠塚町付近にある近江鉄道八日市線・太郎坊宮前−市辺駅間の踏切で、32歳男性の運転する普通トラックが、荷役用の小型クレーンのアームを下げ忘れたまま進入。中央部に設置された架線(地上からの高さ5.2m、直流1500V)を切断した。
死傷者は出なかったが、切断とショートによって電流が流れなくなり、近江鉄道八日市線は約6時間に渡って運行がストップ。復旧作業が遅れたことや、架線を接続しても電力が供給されないなどのトラブルもあり、結果として上下合わせて35本が運休。夕方の時間帯を中心に約2000人の足に影響が出ている。
警察ではトラックを運転していた男性から道路交通法違反(安全運転義務違反)容疑で事情を聞いているが、男性は「アームの下げ忘れにはまったく気がつかなかった」などと話しているようだ。
アーム下げ忘れを原因とする事故は全国で相次いでおり、警察では「運転席に座るまでにもう一度確認してほしい」と話している。