『ミラジーノ』のウリは、クラシカルなエクステリアデザインとモダンなインテリアを持ち合わせているところだろう。販売上のライバルは価格帯が近い、スズキの『アルトラパン』ということだが、走りに関しての方向性は欧州車をベンチマークに置いていたようだ。
ダイハツ工業製品企画部チーフエンジニアの福塚政広さんは「ミラジーノが採用するプラットフォームを設計する際は、ルノー『クリオ』をベンチマークに開発を進めました。そして多少足回りを引き締めたミニライトスペシャルに関しては、VWポロを判断基準に置いています。それでも、まだポロよりは柔らかいですが」と説明する。
ミラジーノの標準車の走りは、市街地の快適性を意識しているため、ステアリングを切った瞬間の初期のロールが大きい。ただし、ロールはするものの、すぐにアンダーステアになるのではなく、意外にその先からでも粘ってくれるので、そのままの姿勢で曲がっていってくれる。
ミニライトに関しては初期のロールも少なく、コーナリング中の安定感もより高められている。
福塚さんは「このプラットフォームは、ロールはしてもリアの高いスタビリティは確保するように設計されています。FF車はリアの動きが重要ですから」と語る。
ミラジーノの走りは、厳密には欧州車のテイストとはいかないものの、方向性としてはじゅうぶんにそのテイストを感じられるフィーリングに仕上がっている。