宮城県警は4日、宮城県仙台市内で道路を横断中の男性をはねた後、飲酒運転と無免許の発覚を恐れて逃走していたとして、業務上過失致死容疑で逮捕されていた33歳の男を、殺人容疑で同日までに再逮捕した。
宮城県警・仙台中央署によると、問題の事故は1月20日の未明に発生している。同日の午前0時30分ごろ、仙台市青葉区国分町2丁目付近の市道に設置された横断歩道を渡っていた56歳の男性が、減速しないまま進行してきた乗用車にはねられた。
男性をはねた乗用車はそのまま逃走。対向車線を逆走したり、一方通行の道路へ強引に進入するなど、対向車5台と衝突や接触を繰り返した。クルマは事故現場から約200m離れたところで自走不能となり、乗っていた男はクルマを捨てて徒歩で逃走した。
クルマにはねられた男性は近くの病院に収容されたが、男性は頭の強打や腹部に圧迫を受けたことが原因で死亡している。
逃走していた男は事件から約5時間後に逮捕されたが、取り調べに対しては「無免許と飲酒の発覚を恐れて逃げた」と供述。逃走時の逆走についても「パニックに陥った」と説明していた。
しかし、後に行われた司法解剖で被害者の負傷部位に不自然な点があることが判明。このことから死亡した男性は複数回ひかれた疑いが濃厚となった。
男はこれについて否定していたが、事故現場近くに設置されていた防犯カメラの映像に、男が運転するクルマが路上に倒れた男性を再度ひくシーンをキャッチしていた。
警察では、その後の逃走の異常性も含めて「未必の殺意が生じていた」と判断し、男を殺人容疑で再逮捕した。