パワフルさを演出しすぎたスロットルチューニング、高級サルーンにふさわしくない操舵に対するゲインの高さ、限界の高さや俊敏さだけを求めて情報伝達を無視したリアのアクティブステアなど、走りにおいてはチグハグな部分がいっぱい。速くて曲がるスポーツセダン、だがそこにインフォメーションはほとんど存在しない。
『ティーダ』同様にステアリングフィールはノーインフォメーション。得意とするはずの高速走行では、やや浮き足だった感じで路面に吸い付く安心感がない。キャラクターとしてわかりやすい走りを作ったのだろうが、あまりにも明快過ぎて子供っぽさが否めない。
それと霧状に噴霧せずにダラーッと流れるウォッシャーと、リアシートのセンターの2点ベルトは即刻改善だと思えた。ただその反面、目に見える商品性は極めて高い。とくに19インチホイールなどは顕著な例といえる。だから、速い、曲がる、見た目、といった部分での記号性を重視する人にはたまらない魅力があるといえる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★☆☆☆
河口まなぶ| モータージャーナリスト
1970年生まれAB型。日本大学芸術学部文芸学科卒。卒業後モーターマガジン社でアルバイト。その後フリーとなり専門誌を中心に一般誌、webに寄稿。2002-03/03-04日本カーオブザイヤー選考委員。