自転車同士の追突事故、被害者の責任をより重いと判断

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福岡県警は24日、自転車同士の追突事故に巻き込まれた際、負傷した相手を放置したまま逃走していたとして、29歳の男を道路交通法違反容疑で同日までに書類送検していたことを明らかにした。

福岡県警・中央署によると、問題の事故は2004年7月26日未明に発生している。同日の午前0時ごろ、福岡市中央区鳥飼1丁目付近の市道で、自転車で帰宅途中の56歳男性が、前方を走っていた別の自転車に追突。双方が転倒した。

追突した側の男性はアスファルトで頭を強打して路上に倒れこんだが、追突された側の自転車は男性を現場に放置したまま逃走。

男性は通行人によって事故から数分後に発見され、救急車で近くの病院に収容されたが、頭部を強打したことで全治1カ月の重傷を負っている。

逃走した側は事故単体で見た場合には被害者にあたるが、負傷者の救護をせずに立ち去ったという点を警察では重視。重傷ひき逃げ事件として捜査を開始した。

この結果、目撃情報などから福岡市早良区内に在住する29歳の男の存在が捜査線上に浮上。任意で事情を聞いていたところ、「追突されたので腹が立って後ろをみたら、男性が路上に倒れていた。関わりになるのを恐れて立ち去った」と供述。負傷者を放置して逃走した容疑を大筋で認めた。

このため警察ではこの男を道交法違反(ひき逃げ、事故不申告)容疑で24日までに書類送検。負傷した56歳の男性についても飲酒をしていた上、道路右側を無灯火で走行するなどの過失が生じていたと判断。道交法違反(安全運転義務違反)で書類送検している。

自転車同士の事故で、しかも被害を受けた側の責任を重く取るのは異例だが、警察では「放置していた場合、最悪は死に至っていた可能性も高く、放置の責任をより重視した上での判断」と説明している。

《石田真一》

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