ランチア健闘、フィアットに光明?

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フィアットの苦難は依然続いている。1日に発表された3月のイタリア国内乗用車登録台数は前年同月比−8.63%だったが、フィアットグループはさらに悪い−9.4%を記録した。シェアも2月の29.15%から28.17%に下げた。

それを受けての発表ではなかったが、4日フィアットは新たに1500人のレイオフを決めた。

さらに8日には、米証券大手モルガン・スタンレーが、フィアットとの資本提携に興味を示しているとの噂がある上海汽車集団(SAIC)について見解を発表。「彼らはフィアットの技術やデザイン力に興味を示しているものの、結論は急がないだろう」として、早急な解決はないとの見通しを示した。

そんな中、唯一フィアット・グループに明るい話題を提供しているのは、ランチアだ。冒頭の3月の国内登録台数の前年同月比でも、フィアットが13.1%減、アルファロメオが11.4%減とマイナスを記録したのに対し、ランチアだけが10.2%増の1万1448台を達成した。

新型『イプシロン』や、昨年発売された『ムーザ』(イプシロンの5ドア版)の好調な売り上げが貢献したものだ。ここ数年ヒットに恵まれず、一時はブランド消滅の噂まであったランチアが、ようやく巻き返しを図ったかたちである。

今月からは、「醜いモノ反対運動」と題して、ランチアのエレガントさを訴える大々的なテレビCMも放映開始された。

ただし上級車種の登録台数は依然不調だ。いずれのモデルも生産中止が決まっているとはいえ、ここ数カ月『リブラ』が300−500台ペースにとどまり、最高級車『テージス』に至っては200台に達しない月が続いている。

イタリア人の間で往年のランチアは、「高級車・高性能車」の印象が強い。年配層は1969年のフィアットによる吸収前の各モデルを懐かしむ。また1970年代のラリーにおける活躍も、今だに語り草になっている。いっぽうで彼らの多くは、フィアットの上級車種的存在になってしまった近年のランチアを嫌っている。

どのようなモデルであれ、そうした元ファンの多くがランチアに戻ってくれば、ブランド復興は本物となるだろう。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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