MINIの最強モデル、『クーパーS』に6速AT仕様が追加され3月よりデリバリがー開始された。クーパーSは、MINIの登場から2ヶ月遅れでラインナップに加わったが、今までは6速MTの設定しかなかった。04年秋には全車でマイナーチェンジを行ない、フロントまわりの意匠変更を実施し、最高出力も170psに向上させている。
今回追加された、6速AT車もエンジンや足まわり、内外装に関する装備は昨年秋に小変更を行なった6速MTと同じ設定になっている。170psを発揮するエンジンは、スーパーチャージャーということもあり、低回転域から過給を始め、1.6リッターとは思えぬ力強さを見せてくれる。
エンジンの回転フィールは洗練されているとはいえないが、ホットハッチらしいキビキビ感のあるエンジンに仕上がっている。新たに組み合わされた6速ATとのマッチングもよく、ワインディングで比較的アクセルを踏み込んだ走りでは学習機能がすぐに働き、もっともトルクの出る4000rpm付近まで引っ張ってからシフトアップしてくれるので、上りでも1210kgのボディを軽々と引っ張ってくれる。
クーパーSの6速ATはエンジンの仕様こそMTと同じだが、MTでトルクバンドを維持しながら走るのは、それなりのテクニックが要求される。だが、今回追加された6速ATなら、そのパワーをよりイージーにコントロールすることができる。
BMW MINIディビジョンの西山雄一郎さんは「クーパーSのATとMTの差は0〜100km/h加速性能で、MTが7.2秒に対してATが7.7秒、最高速度もMTが220km/hなのに対し、ATが215km/hと、それほど大きなものではありません」と語る。
この程度なら日常的に動力性能の差を感じることは少ないはず。追加された6速ATでも存分にクーパーSのパワーを操ることが可能なのだ。(つづく)