道路上のクルマの車内は「公共の場」

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走行中の乗用車車内で拳銃を発砲して1人を殺害し、殺人と銃刀法違反の罪に問われた51歳の元暴力団幹部の男について、最高裁第一小法廷が上告を棄却していたことがわかった。決定は18日付け。

問題の事件は2001年10月26日に発生している。同日の午前0時ごろ、旭村滝浜付近の国道51号線を走行していた乗用車の車内で、後部座席に同乗していた当時47歳の暴力団幹部の男(被告)が、助手席に同乗していた33歳の暴力団幹部の頭を拳銃で撃って射殺。

運転していた男性も同様の手段で射殺しようとしたが、拳銃が不発となり、未遂に終わった。男は後に殺人や殺人未遂、銃刀法違反(発射)容疑で逮捕された。

公判では、殺人と殺人未遂についてはもちろん、公共の場で拳銃の発射を禁止する銃刀法違反について「クルマの車内が公共の場に該当するか」が争点となった。

男の弁護側は「発砲は暴発であり、殺害の意図はない」、「万人が容易に出入りできない走行中のクルマの車内は閉鎖空間であり、公共の場ではないから銃刀法違反は成立しない」と主張していた。

しかし、一審の水戸地裁では「公道上は公共の場にあたる」と判断。殺人や殺人未遂についても「被告は殺害した男性から多額の借金があり、殺害する動機があった。公道上で拳銃を発射するという危険かつ反社会的な犯行であり、反省していない」として、懲役18年の実刑を命じた。

これに対して量刑不服で検察側が控訴。二審の東京高裁は無期懲役の判決を出したため、今度は被告側が上告していた。

最高裁第一小法廷の才口千晴裁判長は、発砲の現場が民家などが立ち並ぶ国道だったことを指摘。「発射行為は、不特定または多数の者の用に供される場所であることが明らかな道路上でされた」として、銃刀法違反が成立すると認定。その上で二審判決を支持し、被告の上告を棄却した。

これによって無期懲役の刑が確定することになった。

今回の判決によって、個人所有のクルマであったとしても、道路上にある場合は“公共の場”と認定されることとなる。

《石田真一》

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