●ルノーの5つの柱
最初にスピーチを行ったシュゼベール会長は、ルノーの戦略の5つの柱について述べた。
それは、(1)ブランドアイデンティティを確立すること、(2)コスト面での競争力をつけること、(3)国際化の推進、(4)ルノーの価値観を発展させる、そして、これらの4つを支えるために(5)強固な財務体質を作り上げることの5つであるという。
まず、(1)ブランドアイデンティティの確立は、品質や安全性を重視した自動車の開発によってもたらされるとし、それは2002年以降に発売された『メガーヌII』など9車種や、今年秋に発売予定の『クリオ』などに、反映されているという。また、今シーズンのF1での4連勝も、ルノーのプランド価値向上に役立っていると付け加えた。また、
(2)コスト面での競争力をつける点では、日産とのアライアンスによって、開発や購買のコスト削減が実現される。
(3)国際化については、ルーマニアで生産されている『ローガン』によって、ルノーの西欧以外での販売の総売上高に占める割合は、1999年の15%から2004年の27%にまで増加したことをあげた。
ルーマニアにある工場の生産能力は25万台で、2005年からは、新たにロシア、モロッコ、コロンビアで生産を開始する計画だ。またフランスでも発売する予定で、さらに今後はイラン、インド、ブラジル、中国などでも販売する。
ローガンは、現在はセダンだけだが、5人乗りや7人乗りのワゴン、コンパクトカーやピックアップトラックなど、いろいろなバージョンを開発する計画で、2010年には、さまざまなバージョンをあわせて世界で100万台販売することが目標という。
さらに(4)ルノーの価値観を発達させるために社員教育を重視、そして、「これらの4つの柱を支えるための5つめの柱として(5)財務体質の強化が必要」とシュゼベール会長は語った。
最後に、シュゼベール会長は、CEOのバトンを渡すゴーン氏について、「統率力のある意志の非常に強い人。ルノーと日産のアライアンスをさらに遠くまで進めてくれるものと期待している」と高く評価した。
●既定路線の確認
●ルノーの5つの柱
●ゴーン氏「どうぞ私を信頼してください」
●どうなるルノーと日産