●どうなるルノーと日産
今回の年次総会で配布された資料の中から、ルノーと日産のアライアンスの行方を占う上で重要なデータをピックアップしてみたい。
1999年に倒産寸前だった日産は、ゴーン氏の策定した「日産リバイバルプラン」と「日産180」の2つの中期計画を通じて、見事に復活。2004年(暦年)の売上高に対する営業利益率は11.1%、総販売台数は329万台に達した。
しかし、一方のルノーの2004年の売上高営業利益率は日産の半分の5.9%。販売台数も248万台と日産よりも約80万台少ない。2つの中期計画を経た日産は、実はルノーよりも優良会社へと変貌していたといえる。
さらに日産は、先頃発表した「日産バリューアップ」では、2008年に420万台という目標を掲げている。営業利益率10%を維持しながらというのは大変な試練といえる。もちろん倒産の危機を救ってくれたルノーに対する感謝の気持ちはあったとしても、いつまでたってもルノーの営業利益率が6%前後に低迷していたら、いずれは日産の方から不満が出てくる可能性もある。
ルノーは1945年に国有化された会社で、1990年代以降は民営化が進められているが、現在もフランス政府が15%の株式を保有している。社員には「お役人体質」が残っているとも言われており、ゴーン新CEOにとっては、ルノーの営業利益率を向上させるには、日産の再建と同じくらいの試練が待ち受けているのかもしれない。
●既定路線の確認
●ルノーの5つの柱
●ゴーン氏「どうぞ私を信頼してください」
●どうなるルノーと日産