●ゴーン氏「どうぞ私を信頼してください」
続いてカルロス・ゴーン氏がCEOとしての抱負を語った。まずゴーン氏は、「フランスに戻ってきて本当に幸せです」と喜びを表した。そしてゴーン氏はルノーの新しいCEOとしての仕事として、いろいろな部署を回ることをあげた。
「ルノーの強さと弱さ、チャンスとリスクを見極めるために、生産現場や開発センターなど、あらゆる部署を訪問する。フランスだけでなくトルコやブラジルなど、世界のあらゆるところに行く」という。そのため、「数週間以内に大きな変化があるとは期待しないで欲しい」と株主たちに呼びかけた。
またゴーン氏は、ルノーの経営に関しては3つの要求事項があると語る。それは、(1)はっきりとした目標をコミットメントすること、(2)透明性を維持すること、(3)個人的に業績に責任を持つこと、の3つだという。
しかしゴーン氏は、現在のルノーと1999年の日産とはまったく異なると指摘する。「1999年の日産は倒産寸前の状況で、私の使命は再建することだった。そしてその使命は終わった」。
日産とのアライアンスが発表された当時、フランスでは批判的な論調が多かった。しかしルノーと日産のアライアンスは、自動車販売台数では世界4位のグループとなった。日産とのアライアンスは、コスト削減をめざすだけでなくお互いのアイデンティティを尊重しあうユニークなアライアンスだという。
ゴーン氏はこれからの自動車産業は激動の時代を迎えると予測する。しかし「激動は、きちんと準備をした者にとっては、大きなチャンスとなる」として、「私はルノーと日産のアライアンスに非常に信頼を持っている」と強調した。
最後にゴーン氏は、「今後のルノーの経営の責任は私にあります。どうぞ私を信頼してください」と語り、満場の拍手を受けた。
●既定路線の確認
●ルノーの5つの柱
●ゴーン氏「どうぞ私を信頼してください」
●どうなるルノーと日産