2日、長野県松本市内の県道で、路線バスの前方にクマが飛び出した。運転手が衝突を回避する目的で急ブレーキを掛けたが、車内で乗客が転倒。2人が座席から投げ出され、軽傷を負っている。
長野県警・松本署によると、事故が起きたのは2日の午後5時30分ごろ。松本市安曇付近の県道を走行していた松本電鉄バスが運行する路線バス(上高地発、新島々バスターミナル行き)の前方約80mを体長約1mのクマが横切ろうとしているのを運転手が発見した。
そのまま走行を続けるとクマと衝突する危険が生じることから、運転手は急ブレーキを掛けてこれを回避しようとしたが、乗客には無予告でブレーキ操作を行ったため、数人の乗客がシートから投げ出された。
クマとの衝突はぎりぎりのところで回避されたが、38歳と31歳の女性がシートから前のめりになるかたちで転落し、打撲などで全治2週間程度の軽傷を負っている。
現場は上高地の大正池沿いを走る県道で、一般車通行規制区間にあたる場所。周囲は熊笹に覆われていて見通しはあまり良くないという。バスは上高地で乗客を乗せ、一般車両の駐車場がある沢渡まで戻る乗客で混雑していた。
付近でクマが目撃されることはこれまでにもあったが、バスと衝突しそうになる事態は初めて。このため、運転手自身がパニックになった可能性は否めないようだ。
警察では業務上過失傷害容疑で運転手からも事情を聞いている。