アメリカでSUV人気の凋落

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アメリカでSUV人気の凋落
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クルマの流行としては記録的に長く続いたアメリカのSUV人気が、このところ一気に凋落している。その原因は、ガソリンの高騰だ。

1ガロン3ドルに近づいている現状では、大型SUVを満タンにするためにかかる費用は70ドル(=7300円)ほどになり、ユーザーが悲鳴を上げ始めた。

同時に、ここ数年自動車メーカーが力を入れていたハイパワー、ハイパフォーマンスカーの将来にも陰がさしている。

ある自動車ディーラーは、「V8という表示が宣伝効果を失った。ショールームを訪れる人々が最初に聞くのは『燃費は良いのか』という質問だ」と嘆く。

実際、2005年の第1四半期の統計では前年同期比でフォード『Fシリーズ』が9%、ダッジ『ラム』ピックアップが13%の売り上げ減となり、フォード『エクスプローラー』、シボレー『トレイルブレイザー』はそれぞれ25%、23%もの売り上げ減となっている。

その一方で人気が急上昇中なのはハイブリッドで、トヨタ『プリウス』は前年同期比で約2倍、フォード『エスケープ』もSUVにもかかわらず7%増で、その多くがハイブリッド効果によるものだという。アメリカ全体でのハイブリッド販売台数は8万3153台となり、前年比で81%増である。

しかもこうした傾向はユーズドカー市場にも影響をおよぼし、小型車のリセールバリューは22.6%もアップしたのに対し、大型SUVでは3.9%の下落となっている。

環境問題を訴えてもハイブリッド人気は高まらなかったが、ガソリン価格は一気に人々の目を燃費に向けさせたようだ。ガソリン価格が落ち着けばSUV人気も戻る、という意見ともはやSUVの時代は終わった、という意見が交錯し、アナリストも今年後半の見通しさえ立てられないのが現状のアメリカ。来年のトレンドはどうなる?

《Sachiko Hijikata, US editor》

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