VW『ゴルフ』GTIに用意されている、次世代のオートマチックとして注目されているDSG。MT車よりもはるかに素早いシフトワークで走ることができることは体感できたが、渋滞の多い日本での使用には耐えられるのか?
フォルクスワーゲンAGでDSGの開発を行なう、ミハエル・シェイファ氏に話を聞いた。「DSGの耐久性に心配する声はありますが、ドイツでは30万kmに及ぶ過酷な走行テストを実施したクルマでもトラブルは出ませんでした。もちろん日本の使用状況でもまったく問題はないと思っています」
「またメンテナンスに関しても6万km程度でDSGのオイルを交換する必要はありますが、クラッチは湿式なので、交換する必要はありません。DSGはスポーティなだけではなく、扱いやすく、メンテナンスに関してもイージーなトランスミッションなのです」とコメント。
燃費に関しても10・15モード燃費ではMTが1リッターあたり13.0km、DSGが12.6kmとなっている。だが、乗り比べたときの印象だと、MTのほうが普段の市街地走行時のシフトアップも高回転まで回しがちになってしまうので、結果的にはDSGのほうがよい燃費になりそうだ。ATと比較した場合は、DSGのほうが10%もよいという。
変速時のショックなどに関しても、普通に市街地を走っている状況では違和感はなく、ATと比較しても遜色はないだろう。発進時に勢いよくクルマが前に押し出される感じはあるが、それもGTIらしい演出。現状では上り坂で停車したときにはMT車のように後ろに下がってしまうが、これも近い将来には改良される見込み。
DSGの日本での使い勝手は、ほぼATと同じように扱えると考えていいだろう。その上で、俊敏でダイレクト感のあるシフトフィーリングを味わうことができる。マニュアルモード付きのATから乗り換えても、MT車から乗り換えても、何かしらの感動を得ることができるに違いない。(つづく)