デンソーと、同社の技術・技能研修を担当するデンソー技研センターは、5月25日から6月1日までフィンランドのヘルシンキで開催された第38回技能五輪国際大会で、「ポリメカニクス」(旧競技名=精密機器組立て)と「製造チームチャレンジ」(MTC)の2職種に出場し、ポリメカニクスで金メダル、MTCで銅メダルを獲得した。
ポリメカニクスには、渡辺章二氏が出場し、特に機械加工レベルの高さが評価された。
優勝した渡辺氏は「訓練では辛いこともありましたが、日本の代表としてコーチと共に精一杯練習を積んできた結果が金メダルにつながり、とても嬉しく思っています。これからは今までの伝統をしっかり受け継いでいけるよう、後輩育成に力を注いでいきます」とコメントした。
ポリメカニクスは、1000分の1mm精度で加工する技能が求められる。従来の精密機器組立て職種の技能に、今大会から電気制御と空気圧制御の知識が問われる内容が加わった職種で、要求される技能と技術の範囲が広がった。
MTCは、今大会から正式に採用された3人1組で取り組むチーム競技で、今大会の課題は電動カートの製作だった。
竹嶋佑太郎氏が汎用フライス盤とCAD製図を、木村司氏が電子・電気制御を、武田真樹氏が汎用旋盤とCNCマシニングをそれぞれ担当した。競技には、製作技能、設計技術、制御技術といった幅広い技能と技術が要求される 。
技能五輪国際大会は、参加国における職業訓練の振興と青年技能労働者の国際交流を図ることを目的に、2年に1度開催される。1950年に第1回大会がスペインで開催されてから、前回の大会までに計44カ国・地域の約1万185人の青年技能者が出場した。
選手の出場資格は、多くの職種で大会開催年に満22歳以下であることで、主に直近の国内大会で優勝した選手に出場資格が与えられる。
今大会では、38の国と地域から39職種667人の選手とエキスパート639人が参加し、過去最大の大会になった。
デンソーは、1971年の第20回大会に初めて出場して以来、今大会までに52競技55人が出場し、国際大会での通算成績は金メダル20個、銀メダル9個、銅メダル11個の合計40コで、メダル獲得率は76.9%。