NHTSA(アメリカ運輸省、道路交通安全局)とは異なる独自のクラッシュテストを運営するIIHS、高速道路安全のための保険会社協会は、VW(フォルクスワーゲン)からの申し出により、2005年モデル『ジェッタ』セダンのクラッシュテストを行った。
VWではこの結果を自社のTVコマーシャルに使用する予定で、その自信の通りフロント、サイドともに『安全』の評価を受けた。
IIHSでは通常年間に保険会社からの基金による130億ドルの予算を組み、クルマを購入してテストを行う。しかし今回のVWはVWからの特別な要請に基づいているため、クルマからテストの費用まですべてVW持ち。
そんなことが可能だったのも、「ジェッタはIIHSの厳しいテストを想定したエンジニアリングのもとにデザインされた」というVWの自負の現れだろう。
アメリカではIIHSによるテストは10年前からNBCの夜のニュースで放映されており、ある意味ではNHTSAの公式テストよりもインパクトがある。NHTSAで合格とされても、IIHSで「poor」という評価を受けたためにエンジニアリングをやり直したメーカーもあるほどだ。
そこに挑戦して見事最高評価を勝ち取ったVW、コマーシャルとなって流れればかなりの好感触となりそうな気配だ。