今年は昨年より開催時期が遅くなり、WRC全16戦中の第13戦として開催されるラリー・ジャパン(昨年は第11戦)だが、すでに7戦が終わった今季は、ドライバーズランキングでセバスチャン・ローブ(シトロエン)が独走。
日本メーカー勢のファンには、「ラリー・ジャパンの前にチャンピオン争いが終わってしまう?」という懸念が生じている。昨年、初のドライバーズチャンピオンを獲得したローブは、今季7戦5勝、目下4連勝中なのだ。
ライバルである03年王者ペター・ソルベルグ&スバルが得意とするはずのグラベル戦(非舗装路主体のラリー)でも、ローブ&シトロエンが圧勝を続けており、トラブルやアクシデントで落とした2戦でペターに勝利を譲ったのみ。今季いっぱいで撤退するシトロエンだが、「クサラ」の戦闘力は一向に衰える気配がない。
現在の優勝10点、以下8-6-5-4-3-2-1点という得点システムでは、連勝を重ねても大差がつきにくいため、早期のタイトル確定は難しいのだが、ちょうどラリー・ジャパンあたりでローブ戴冠決定となる可能性は充分にあり……? なお、マニュファクチャラーズタイトル争いは、現在のところプジョーとシトロエンがリードしている。
もっとも、ファンにとっては、タイトル争いの決着が観戦意欲を削ぐことに直結するわけではないので、仮にローブの独走が続いたとしても、集客や注目度には影響しないと思われる(このあたりはF1日本GPでも同じ)。
ただ、地元勢の活躍への期待値は、観戦意欲に直結してくる恐れもあるので、スバルと三菱の活躍があまり期待できないような戦況になると、さすがに芳しくはない。両陣営の一層の奮起が望まれるところだ。
昨年のラリー・ジャパンで優勝したペターは、「日本での勝利は、昨シーズンのもっとも良い思い出となった。多くの人々のおかげで、素晴らしいラリーを楽しめた。今年のラリー・ジャパンも楽しみにしているよ」というメッセージを記者発表会に寄せている。
スバル・ワークスは今年のラリー・ジャパンには、エースであるペターに加えて、主にグラベル戦要員である若手のクリス・アトキンソンをワークスノミネートする予定だ。