10日深夜、鹿児島県長島町内の漁港で、乗用車がバックしたまま岸壁から海に転落する事故が起きた。乗用車は約1時間後に海中から引き揚げられたが、乗っていたいずれも53歳の男女は死亡が確認されている。
鹿児島県警・阿久根署によると、事故が起きたのは10日の午後11時30分ごろ。長島町蔵之元付近にある蔵之元港で、釣り人がバックで進行したまま岸壁から海に向かって転落していく乗用車を発見。警察に届け出た。
通報を受けた同署員や、地元消防が現場に急行。海底に沈んでいるクルマを確認し、約1時間後に引き揚げた。しかし、クルマに乗っていたいずれも53歳の男女2人は病院に運ばれたが、間もなく死亡していることが確認された。溺死したものとみられている。
目撃者の話によると、クルマは方向転換をしようとその場で切り返しを始めたが、岸壁が無くなっていることに気づかずにバック。FF車なので後輪が落ちても止まらず、そのまま転落していったという。これを示すように海中から発見したクルマのシフトレバーは「R」位置にあった。
警察では事件と事故の両面から調べを進めているが、現時点では自殺や心中ではなく、運転ミスの可能性が極めて高いという。