タクシー運転手の機転、放火事件を未然防ぐ…遺産相続もつれ

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埼玉県警は11日、遺産相続のもつれから実家に放火することを企てたとして、51歳の男を放火予備の現行犯で逮捕した。この男を乗せたタクシー運転手の機転を働かせ、警察署まで誘導したことが事件を未然に防ぐ結果となった。

埼玉県警・羽生署によると、事件が起きたのは11日の午前6時50分ごろ。同署にタクシーで乗りつけた男が、玄関付近にいた署員に対して「トイレを貸してほしい」と頼んだ。

断る理由も無いため、署内にあるトイレの位置を教えたところ、続いて下りてきたタクシーの運転手が同じ署員に対して「今の男は放火を企てているようだ。実家に火を着けてやるという言葉を繰り返していた。灯油が入っているようなポリタンクも持っている」と通報した。

署員がタクシーの内部を確認したところ、後部座席の足元にポリタンクが置かれていることを確認。

戻ってきた男に対して「あのポリタンクの灯油を使って、家に火を着ける気だったのか」などと問い質したところ、男は「はい」とこれを認めたため、放火予備の現行犯で逮捕した。後の調べで住所不定・無職の51歳であることが判明している。

この男、同日の午前6時ごろに東武伊勢崎線の久喜駅前からタクシーに乗り込み、途中の友人宅に寄ってから羽生市内の実家まで行くように運転手に行き先を指示した。

乗り込んだ直後から落ち着きが無かったため、運転手はタクシー強盗の可能性もあるとして警戒。運転しながらも、男の様子を注視していた。

男は途中で立ち寄った友人宅で灯油らしき液体が入ったポリタンクと、缶ビールを受け取り、再び羽生に向けて走り出すように指示。後部座席でビールを飲み始めた。

徐々に酔ってきたのか、男は「相続で揉めて腹が立ったから放火してやるんだ」などと運転手に話しかけていた。

そのうちに「トイレに行きたい」などと言い始めたため、運転手が「貸してくれるところがある」として、同署に進路を変更したという。

逮捕された男は取り調べに対し、「どうして自分が警察署にいるのかわからない」などと供述しており、放火の計画を自分で話したこともすっかり忘れ、「どうして知っているんだ」などと落ち込んでいたらしい。

《石田真一》

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