「新型『エスクード』はモノコックボディを採用し、4輪独立懸架のサスペンションとしたことで、オフロード性能が犠牲になっているのでは、と心配される方もいるかもしれませんが、それはまったくの取り越し苦労です」と語るのは、新型エスクードのチーフエンジニア山田功二さん。
「エスクードのモノコックは、強靭なラダーフレームを骨格の一部として取り込んだ、ビルトインラダーフレーム構造を採用していますので、本格的なオフロード走行にも耐えることができます。また、4WDのシステムは走破性の高いLSD付きセンターデフ式のフルタイム4WDを新たに採用しています」
「当然、スズキ伝統の副変速機とセンターデフロック機能も踏襲しており、その操作はダイヤルひとつで簡単に切り替えることができます。2.7リッター車にはESPも装備されるようになりましたので、オフロードでも高い走破性を実現しました」と説明する。
実際に新しくなったエスクードでオフロードを走ってみると、予想以上に走りやすくなっていることがわかる。サスペンションは独立懸架になったが、ストロークがじゅうぶんに確保されており、的確に路面を捉えてくれる。万一、一輪が浮くような場合でもセンターデフのLSDが働き、駆動力を確保してくれるので、深いコブのある路面でもテクニックを要することなく走破できてしまった。
2.7リッター車にはESPが標準装備されているので、滑りやすい路面の急坂道で止まってしまっても最適なトラクションを与えてくれ、簡単に再発進が可能だ。しかもエスクードのプライスタグは、もっとも高い2.7リッター車でも価格は252万円。これだけの本格的なオフロード性能を持ちながら、この価格は魅力的だ。
ワタシ自身もモノコックとなったことで、オフロード性能がスポイルされていると思っていたが、その心配は杞憂に終わった。(つづく)