秋田県、飲酒運転での懲戒免職を撤回

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秋田県人事委員会は18日、昨年3月に飲酒運転で警察の摘発を受け、懲戒免職処分となっていた秋田県大森町の20歳代男性職員の処分を見直し、停職6カ月に改める裁決を行った。この職員からの「処分は厳しすぎる」という不服申し立てを受けたもので、処分は2004年3月31日付けで実施されることとなった。

秋田県人事委員会によると、懲戒処分の見直し対象となったのは、2004年3月当時に大森町役場の総務課に勤務していた20歳代の男性主事。この職員は2004年3月5日の午前1時50分ごろ、横手市内の市道で自己所有の乗用車を運転中、警察官の職務質問を受け、その際に行ったアルコール検知で酒気帯び相当量のアルコール分を検出したため、道路交通法違反の現行犯で摘発された。

職員は翌朝、上司に摘発の事実を報告。町では処分について検討していたが、警察の摘発を受けた場合には原則懲戒免職という基準が定められており、町はこれに則って同年3月31日付けでこの職員を懲戒免職処分とした。しかし、職員は「懲戒免職は厳しすぎる」と秋田県人事委員会に不服の申し立てを行っていた。

人事委員会で検討を行った結果、「この職員が指導的な立場ではないこと」や「摘発前の勤務態度に悪い点がなく、反省すれば今後の公務遂行に期待できる」ことなどを考慮。「懲戒免職とする重大な非行とはいえない」と判断し、処分内容を訂正。2004年3月31日から停職6カ月の処分に改めた。すでに停職期間は満了しており、人事委員会は早期の復職も大森町側に指示している。

県が定めた処分規定が人事委員会に否定された状態で、同様の判断は東北地方では青森県ですでに行われている。厳罰を定めたとしても、不服申し立てでそれを回避することができる前例を作ってしまい、実施不能な厳罰制定が正しいのがどうかを含め、議論になりそうだ。

《石田真一》

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