兵庫県警は22日、万引きを発見して追跡してきた57歳の男性警備員をクルマのボンネットに乗せたままクルマを走らせ、振り落とした際に重傷を負わせたとして、23歳の女を強盗致傷容疑で逮捕した。
兵庫県警・飾磨署によると、問題の事件は18日の午後8時30分ごろに発生している。姫路市飾磨区付近にあるショッピングセンターで、若い女が女性用下着6点（8500円相当）を万引きする現場を57歳の男性警備員が目撃した。女はそのまま店外に出ていこうとしたため、この警備員が呼びとめたところ、女は近くに止めてあったクルマに飛び乗って走り去ろうとした。
警備員はクルマの前方に回って発進を妨げようとしたが、女はこれに構うことなくクルマを急発進させた。クルマはボンネットにいがみついた警備員を乗せたまま約580m走行したが、途中のカーブを減速無しで曲がった際、遠心力に耐えられず警備員は振り落とされている。着地の際は足から落ち、両足首骨折の重傷を負っている。
警察では強盗致傷事件として捜査を開始したが、22日午後になって「自分がやった」と名乗る女が警察に出頭。容疑者本人しか知りえない事実が供述内容に含まれていたため、緊急逮捕している。
女は取り調べに対して「クルマを発進させればあきらめて飛び降りると思った。なかなか手を離そうとしないので、加速してカーブに進入した」などと話している。同署では女に未必の殺意が生じていた可能性もあるとして、さらに調べを進める方針だ。