アメリカのガソリン供給ピンチ

エコカー 燃費

ハリケーン「カトリーナ」に続く「リタ」の襲撃は、アメリカの石油精製基地の半分近くを休業状態に追いやった。そのためガソリンの供給不安が起こり、またこれから寒くなることで暖房用の燃料などにも不足の恐れが出て来た。

こうした状況をうけ、これまで「石油業界の回し者」と呼ばれ、省エネには見向きもしなかったブッシュ大統領が、ついに「無駄なドライブは避けてなるべくガソリンを節約しよう」と国民の前で演説することになった。

ブッシュ大統領は、「いざという場合は戦略的備蓄石油の放出もあり得るので、ガソリンや灯油が不足する事はない」と強調しているが、あれほど懸念されていた“ガソリン1ガロン3ドル”はもはやアメリカの多くの地域で当たり前になっている。エコノミストの間では冬にかけてガロンあたり4ドルもあり得る、との声もある。

また、ハリケーンで少なくとも数万台のクルマが水没しており、南部一帯ではユーズドカーの値段が上昇気味といった問題も起きている。同時に、水没して回収されたクルマが他の州でユーズドとして販売される可能性もあり、消費者に注意を呼びかける動きも起きている。

すでにSUVのユーズド価格が下落するなど、燃費の悪いクルマを敬遠する動きが活発なアメリカだが、今後ガソリンが高値で動けば国民のクルマの嗜好そのものに大きな変化が起こることも予想されている。

参考:
1ドル@ガロン=29.2円@リットル
2ドル@ガロン=58.5円@リットル
3ドル@ガロン=87.7円@リットル
4ドル@ガロン=116.9円@リットル
5ドル@ガロン=146.2円@リットル

《Sachiko Hijikata, US editor》

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