介護式福祉車両でトヨタがシェアを占める一方、自操式に力を入れているのがホンダだ。なんと足だけで運転できる福祉車両で、ホンダ独自の運転補助装置が搭載されている。
「ホンダ・フランツシステム」と呼ばれる装置がそれで、そのオリジナルは1965年にドイツで開発されたものだ。ホンダは1981年に開発者のフランツ氏から直接技術指導を受け、独自の技術を加え、さらに使いやすくしたのだ。つまり、足の前後の回転運動でステアリング操作をスムーズにできるようにしたのである。会場でもホンダ関係者の話を熱心に聞く身体障害者が見られた。
しかし、台数的には年間2−3台、累計の販売台数も69台と少ない。「お金など採算のことを考えたら、こんなことはできないと思う。ホンダとしては、体の不自由な人にも運転する喜びを味わってもらいたい」とホンダ関係者。
第32回国際福祉機器展は、東京ビッグサイトで29日まで。