9日、NTTドコモが冬商戦向けのFOMAハイエンドモデル「902iシリーズ」を発表した。今回の902iシリーズで目玉となる新機能は、IPを使った音声サービス「プッシュトーク」だ。
投入されるのは、『P902i』(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)、『N902i』(NEC)、『SH902i』(シャープ)、『D902i』(三菱電機)、『F902i』(富士通)、『SO902i』(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ)の6機種。発売日は未定だが、冬のボーナス商戦にあわせて投入される予定。
プッシュトークは別名プッシュ・ツー・トークと呼ばれ、北米を中心にヒットしていたサービスをドコモが改良した。特長は会話が交互に行われること。専用ボタンを押しながら話すと、そのメッセージが相手に届き、それを聞いた相手が今度は話す、という一連のプロセスは、トランシーバのやりとりに近い。
プッシュトークの電話に対する優位性は、複数のメンバーが会話に参加できることと、とにかく料金が安いこと。1回の会話に参加できるのは通常プランで最大4人であり、上位プランの「プッシュトークプラス」では最大20人になる。また料金はプッシュコール1回5.25円が基本プランだが、月額1050円の「カケ・ホーダイ」プランに入れば、プッシュコールは使い放題になる。他にも、プッシュトークプラスでは、相手の状態がわかるプレゼンス機能なども備えている。
「海外のプッシュ・ツー・トークもいろいろ見たが、それらは法人向けが中心。コンシューマー向けではなかった。プッシュトークでは多くの人に使ってもらうために、機能の多さではなく、使いやすさや料金を重視した」(NTTドコモ プロダクト&サービス本部マルチメディアサービス部長夏野剛氏)
902iではプッシュトーク以外にも、おサイフケータイの機能を使い、店舗でケータイをかざすだけでクーポン情報などを取得できる「トルカ」や、月額105円で様々なコンテンツが配信される「iチャネル」など、最新の機能に対応している。
ハンズフリー用途で注目のBluetooth(ブルートゥース)への対応状況だが、P902iが今シリーズ唯一の対応機となった。といっても、周知の通り、ドコモの“P”といえば、NEC製と並ぶ人気機種。今回のP902iも、以前から人気の高かったカスタムジャケットや音楽再生機能を搭載している。むろん、おサイフケータイやプッシュトークにも対応する。Bluetoothが使えるFOMAの中で、最も一般ユーザー向けの端末と言えるだろう。
P902iでは、ハンズフリーとヘッドヘットのプロファイルに対応するほか、AVプロファイルへの対応も充実。Bluetoothワイヤレスイヤホンで音楽を聴くこともできる。