日産自動車はITSの機能やサービスの効果をリアルな街中で試す「Sky Project」を、2006年秋に予定している。先行車両開発本部IT&ITS開発部の大石賢治の主管は、「Sky Project は実用化を強く意識した実験です」と語る。
「例えば交差点での接近車情報提供システムでは、(車車間・路車間通信分野で本命視される)DSRCではなく、今すぐ使えるVICS光ビーコンを使います。また、プローブ情報(車両からリアルタイムで収集される走行情報など)サービスはカーウイングスを使うもので、VICSプローブとは別の取り組み。スタンスとしてはホンダのインターナビに近いものです」
カーウングスのプローブ情報サービスについては、神奈川県在住で来年に日産車を購入したカーウイングス新規ユーザーの中から、実験参加者を一般募集するという。
「今回の実験は技術的にできることを実証するのではなく、普及に向けたビジネスモデルを構築するのが目的です。カーウイングスのプローブについては、通信料金込みのプランを考えているのですが、価格帯や採算モデルなどもあわせて検証していきます」(大石氏)