参院の苦情請願制度で初の採択…制度が出来て7年

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参議院行政監視委員会は24日、東京都内の男性から出されていた警察に対する苦情請願を審査し、全会一致で採択した。

苦情請願制度は参院改革の一環として7年前に制定されたもので、行政の怠慢や不適切な事務処理によって権利や利益の侵害を受けた者が申し立てを行うというもの。今回は東京都内に在住する80歳代の男性が申立人となり、親族が関係する交通事故の処理について、これを交通事故と認定しようとしない警察の不手際について苦情の請願を行っている。

請願によると、男性の親族は1993年5月に島根県松江市内の路上で倒れているところを発見され、市内の病院へ搬送されたが「内因性くも膜下出血」が原因で死亡した。警察は当初、ひき逃げ被害に遭った可能性があるとしたが、内的要因で死亡した可能性が高いという診断からこれを撤回。男性は1995年に被疑者不詳のまま死亡ひき逃げ事故として告訴したが、警察や検察は初期の判断を採用し、事故被害とは認めなかった。

ところが2002年に情報公開法に則って開示された検視調書などには、親族の着衣に28カ所の擦過痕や、外傷に伴う血痕が確認されていた旨が記載されていた。男性が鑑定を依頼した元監察医は「親族は歩行中にバイクなどと接触。数メートルに渡って引きずられ、その際に頭を強打した可能性がある」との意見書を出したが、警察は今もこれを交通事故と認識していない。

24日に開かれた行政監視委員会で、警察庁側は「現場の状況や検分においても交通事故と伺わせる要素は認められず、転倒の原因も特定に至らなかった」と答弁したが、委員はこれに反発。その後の採決では全会一致で請願を採択している。

結果は参院本会議で再度採択され、再度採択された場合には内閣に結果が送られることになる。ただし、請願が採択されるのは制度が制定されてから初の出来事であり、内閣が警察に対して再捜査の具体的指示を行うかどうかも決まっていない。

《石田真一》

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