トヨタの新小型セダン『ベルタ』のエンジンは3種類で、すべて『ヴィッツ』と共通のもの。
FFが「1KR-FE」型1.0リットル直3(71ps、9.6kgm)、「2SZ-FE」型1.3リットル直4(87ps、11.8kgm)のダイハツ製2機種、4WDが「2NZ-FE」型1.3リットル直4(87ps、12.2kgm)のトヨタ製1種となっている。
トランスミッションはFFが無段変速機Super CVT-i、4WDが4速ATのSuper ECT。
ボディサイズの小さなヴィッツと同じエンジンということで非力さを懸念するユーザーもいるだろうが、実際には車重増は10−20kgほどで、ヴィッツと同等の動力性能が期待できる。ただ、4ドアセダンというモデルの性質上、4名乗車のニーズはヴィッツより大きいことを考慮すると、1.0リットルではアンダーパワー。バランスがいいのは1.3リットルのほうだろう。
燃費は1.0リットルFFが22.0km/リットル、1.3リットルFFが19.6リットル。1.0リットルのほうが1割ほどいい数値となっているが、これは10・15モード燃費の計測時にかけられる負荷、すなわち等価慣性重量が車重990kgの1リットルは1000kg、車重1030kgの1.3リットルは1250kgであることが主因。実測燃費ではほとんど差はないだろう。
価格は量販グレード「X」の1リットルが132万3000円、1.3リットルが138万6000円と、エンジンによる価格差はほとんどない。1.0リットルエンジンは、旧型モデルに相当する『プラッツ』が開拓した法人需要への対応が主眼と考えられる。一般ユーザーは多少の自動車税、自動車重量税額差には目をつぶって、素直に1.3リットルを購入するのが吉だろう。