VW『ポロ』に追加設定されたGTIには、先代の『ゴルフ』GTIや『ニュービートル』ターボに搭載されていたものと同じ、1.8リッターターボエンジンが搭載されている。スペック的には150ps/22.4Kgmとそれほどハイパワーではないが、低回転域から過給をはじめ、広い回転域で太いトルクを発生するエンジンだ。
フォルクスワーゲンジャパンマーケティング統括部の正本嘉宏さんは「新型ポロGTIのエンジンは先代ゴルフGTIと基本は同じですが、ポロ専用にチューニングを施し、トルクを1kgmアップしています。ギヤ比も新たに変更していますので、さらに乗りやすくなっていると思います」と語る。
実際に新型ポロGTIに乗ってみると、確かに非常に乗りやすいエンジンに仕上がっている。低速からトルクがあり、街なかを3速ぐらいでタラタラ走っていても、ギクシャクすることもない。それでいながら、アクセルを踏み込めばレスポンスよく過給が始まり、6000rpm近くまでキッチリと伸びが感じられる。最大トルクも22.4kgmあるので、トルクバンドでは、意外なほど力強い加速感を味わうことができる。
トランスミッションも6速化が進むフォルクスワーゲンの中で、5速MTだけの設定だったので、多少物足りなさを感じるかと思ったが、それは間違いだった。先代のゴルフGTIよりも3速と4速がクロスしたギア比になり、小気味よいシフトワークと加速感を楽しむことができる。そして5速はオーバートップ気味にギア比が高いので、高速巡航は回転が抑えられている。
街なかからワインディングまでフレキシブルに対応してくれるエンジンと、日本の使用状況にマッチしたギア比によって、新型ポロGTIのパワートレーンは乗りやすさと、楽しさが両立されている。(つづく)