【新年インタビュー】「DSRCで無法地帯から囲い込め」IBA小池社長

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【新年インタビュー】「DSRCで無法地帯から囲い込め」IBA小池社長
【新年インタビュー】「DSRCで無法地帯から囲い込め」IBA小池社長 全 8 枚 拡大写真

DSRCで優良顧客の囲い込みを実現

--- DSRC普及にとってサービスサイト、すなわちロードサイドのリアル店舗のDSRCシステム導入はひとつの鍵と言えます。DSRCに対応する店舗側の大きな同機は決済のスピード化とお客様ID把握によるCRMですが、このメリットは幅広い事業者にあるものなのでしょうか。

小池 たくさんありますよ。例えば、クルマと関わり深いガソリンスタンドだってそうです。この分野について我々も調査を行いましたが、クルマのヘビーユーザーは給油するガソリンスタンドをほぼ決めている。「行きつけ」があるわけですね。こういったヘビーユーザー層のお客様は、洗車やメンテナンスなど油外サービスまで含めて1カ所の拠点スタンドで利用する。

ガソリンスタンドにとって重要なのは「拠点として選ばれる」ことと、「拠点にしてくれたヘビーユーザー層を囲い込む」点にあります。そこでIBAのサービスを使うと、お客様のID情報でヘビーユーザーかどうかわかる。ハウスカードとDSRCを連携させて、ヘビーユーザー層にはガソリン価格をさらに割引するといったサービスが可能です。

--- 確かに現在の小売りビジネスにとって重要なのは「優良顧客の囲い込み」です。以前、取材したあるスーパーマーケットでは、「休日に安売り目あてで来店されるお客様よりも、平日に毎日の買い物をしてくれるお客様の方が大切」だという話がありました。優良顧客を囲い込み、来店率を向上するシステムは今後さらに重要になりそうです。

小池 その通りです。IBAサービス導入事業者のあるデパートでは、これまで月に2−3回しかこなかったお客様が、(IBAサービス利用で)週に2−3回の来店になったという結果も出ています。まだサンプル数が1000程度しかないですが、これからサービスが普及すれば、その効果はもっと明確になると思います。

--- 優良顧客の方々に付加価値のあるサービスを提供することで、囲い込みと来店率向上を実現する。非常に強力なCRMツールになる可能性があるわけですね。

小池 しかもDSRCではクルマで来店した段階で、お客様が意識することなくID情報を把握できますから、“さりげなく”適切なサービスを提供できます。ここも重要なポイントです。

----- ITSは「安全・環境」が至上命題でありますが、そのためだけに作られた機器やインフラ、サービスではコスト負担が課題になりますし、エンドユーザーは日常的な便利さやメリットを実感しづらい。DSRCなどは好例ですが、普及においては商用分野での活用も考えていかなければならない。しかし、正直これまで描かれてきた「DSRCの商用利用」は学者や技術者が机上で考えたイメージに過ぎないのではないか、というリアリティの欠如を感じていました。

一方、IBAは3年間で140社へのヒアリング、先進事業者の優良顧客向けにDSRCサービスをすでに提供しているという実績がある。レスポンス=SSKセミナーでは、その現実的なビジネス感覚からITSの諸機能やインフラについて、さらに掘り下げたご意見を伺いたいと思います。

“つながるクルマ”本命インフラ議論
詳細
申し込み
日時
2006年2月6日(月)
午前10時30分−午後6時
会場
東京コンファレンスセンター品川
公開ディスカッション
日産自動車 先行車両開発本部IT&ITS開発部 主管
福島正夫 氏
本田技研工業 インターナビ推進室 室長
今井武 氏
ウィルコム 執行役員 ソリューション営業本部長
瀧澤隆 氏
ITS事業企画 取締役社長
小池建四郎 氏
通信・ITSジャーナリスト
神尾寿 氏
おかげさまで好評に付き、現在、椅子席のみ受付ております。
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《神尾寿》

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