コスモ石油は14日、2006年3月期の第3四半期決算を発表し、それによると、05年4−12月の連結業績は売上高が前年同期比22.3%増の1兆9055億円、営業利益が同107.4%増の845億円、経常利益が同119.3%増の919億円、純利益が同190.7%増の476億円と大幅な増益になった。
この背景には、まず国内の石油製品需要が旺盛だったことがある。特に12月の記録的な寒波の影響で暖房用灯油が増加し、総販売数量が同3.2%増の3364万キロリットルとなった。そのうえ、原油価格が高騰し、売り上げと原価との差が拡大し、この利益押し上げ効果が348億円に上った。
この結果、06年3月期の連結業績見通しを以下のように上方修正した。
売上高2兆5500億円→2兆6500億円
経常利益930億円→1170億円
純利益440億円→600億円
今回の見通しは、第4四半期(1−3月)の原油価格(FOB)1バレル=58ドル、為替レート1ドル=115円を前提としている。
また、配当については、合併20周年記念配当2円を実施し、前期の年8円配当から年10円配当にする。
3日に発表された新日本石油の決算でも、純利益を1210億円から1530億円へと06年3月期見通しを上方修正しており、石油会社は原油価格の高騰が追い風になっている。クルマを運転するドライバーとしては、これだけ利益を上げているのなら、ガソリン価格を少しでも下げてほしい、という思いだろう。