レース目前にルーキードライバーの死亡事故が発生。沈痛な空気の中で迎えた決勝レースは、昨年度のシリーズチャンピオン、ダン・ウェルドンが激戦の最終ターンを制し”鼻の差”で開幕戦の勝利をあげた。
3月26日、IRL開幕戦の決勝レースを控えたマイアミ・スピードウェイは沈痛な空気に包まれた。レース目前の練習走行中、30歳の遅咲きルーキー、ポール・ダナ選手が亡くなるという痛ましい事故が発生したのだ。ダナ選手を悼み所属のレターマン・チーム・レイホールはチームメイトであるダニカ・パトリック、バディ・ライスの出走を取り止めた。
全16台よる200周、300マイルのレースは、終始群を抜く安定感で予選1-2をマークしたチーム・ペンスキーのサム・ホーニッシュJr.とエリオ・カストロネベスが交互にレースを引っ張る展開。
終盤に入るとトップを走るカストロネベスに、今季ターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングへ電撃移籍を果たしたディフェンディング・チャンピオン、ダン・ウェルドンが迫り、ラスト10周はサイドバイサイドで走行を重ねる2台に、ホーニッシュJr.が割って入る激しい戦いとなった。
最後はラストラップ、最終コーナーで前に出たウェルドンがコンマ0147秒の僅差でカストロネベスを振り切り初戦を征した。レース後、ウェルドンは「悲しく残念なアクシデントが起き、とても辛い気持ちだ。しかし我々は楽しみにしてくれている多くのファンの為にも素晴らしいレースをしなくてはならない。」と語った。
このレースでシリーズへのステップアップを果たしたアンドレッティ・ファミリーの3代目、マルコは祖父マリオ、父でありチーム・オーナーであるマイケルが見守る中、13番手からスタートしたが序盤にメカニカルトラブルでリタイア。松浦孝亮は6位でチェッカードフラッグを受けた。