【新聞ウォッチ】ため息…ガソリン急騰から米国トヨタ社長のセクハラ訴訟まで

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2006年GW総括・特別版

最大9連休となったゴールデンウイーク(GW)も終了。きょうから職場に復帰するビジネスマンも多いことだろう。地球温暖化の影響なのか、気温が東京都心でも30度を超えるほどの「真夏日」(5月1日)を記録するなど、今年のゴールデンウイーク(GW)は総じて“5月晴れ”の好天気に恵まれた。

しかし、GWの期間中の紙面の方は、風薫る爽やかな気候とは正反対で、「ため息」の出るようなニュースが目に付いた。中でも、1日(現地時間)に日米政府両政府が最終合意した「在日米軍再編」は、移転費用の日本側の負担でも不透明な面が多く、各紙とも「地元に残る疑念・不安」(朝日2日付朝刊)とった論調の記事が多かった。

また、社会面に目を向けると神奈川県平塚市のアパートで5人の遺体が見つかった事件は不可解な部分も残されており、容疑者の54歳女性の逮捕後も連日のように続報が大きく掲載されている。さらに、GW最終日の7日未明には山形県飯豊町では刃物を持った24歳の男が民家に押し入り、父子が殺害、母も重傷を負うという痛ましい事件が起こった。GW明けのきょうの社会面はすべてこの事件がトップ記事となった。

◆ガソリン価格急上昇

「ため息」といえば、行楽地などを結ぶ高速道路の大渋滞と交通事故の多発は相も変わらないことだったが、マイカーにとっては原油高の影響で、5月1日からガソリン価格も急上昇したことで、二重のため息。

レギュラー1リットル当たり134円前後の価格を表示するガソリンスタンドも多く、1日の読売夕刊の1面トップは「ため息GW、ガソリンもお酒も値上げ」。同日の東京夕刊にも「GWなのにため息、ガソリンがまた上がったの、遠出できないよ」などと、ガソリンの値上がりが家計をジワジワと圧迫するという内容の記事を大きく取り上げていた。

◆北米トヨタ社長がセクハラ

ため息はため息でも、GW中に発覚した北米トヨタ自動車社長に対するセクハラ訴訟はコメントのしようもないほど唖然とする出来事である。3−4日付の一般紙にも報道されたが、読売と日経はわずか10行前後のベタ記事扱い。上司である大高英昭社長の名前をはじめ、損害賠償額が約215億円にのぼることも伏せられている。

半面、スポーツ紙などには「女性は05年4月に社長秘書に配属されたが、社長から2人きりで出張できるように日程調整することを求められたり、出張先のホテルの部屋や公園で体をつかまれるなどのセクハラを受けた」という訴訟内容を詳しく取り上げている。

ちなみに、大高社長は東大法学部卒業後、旧トヨタ自販(現トヨタ自動車)に入社。海外マーケティング部部長兼海外企画部主査、取締役を経て、広告代理店の南北社(現デルフィス)社長をつとめるなどの事務系エリート。また、新聞記事では報じられていないが、大高氏は6月末から池渕浩介氏と共に新任監査役としてダイハツ工業入りが内定しており、その処遇も注目したいところである。

◆トヨタ、トヨタ、トヨタ

トヨタ関連の人事では、GW前に一部報じられた金田新専務のNHK理事就任も注目。7日付の毎日にも「トヨタ流引っぱりだこ」というタイトルで、金田氏のNHK入りにも触れている。金田氏はハーバード大学大学院でMBAを修得、カナダ駐在もある国際派。また、米国生まれの夫人はNHKの英会話番組の講師経験もあり、NHKとは無縁ではない。

このほか、GW中の自動車関連の主な記事は「トヨタ自動車が2010年に単体での世界の自動車販売を約1030万台とする計画を策定、世界最大手のGMを抜くことが確実になった」と、3日付の日経朝刊が1面トップで掲載。そのトヨタは米国の4月の新車販売台数でダイムラークライスラーを抜いて3位に躍り出た(4日付各紙)。

気になるニュースとしては、GW明け8日付の朝日は「過労・飲酒を放置する悪質な違反に対し、直ちに営業停止」という、トラック・バス・タクシー会社にとっては一発で目の覚めるような記事を1面トップで報じている。

「ため息」がキーワードの今年のGW。トヨタ以外の自動車メーカーはあまり目立った記事が見当たらなかった。

《福田俊之》

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