大矢アキオ『喰いすぎ注意』…マイ街頭テレビ で ワールドカップ 観戦

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大矢アキオ『喰いすぎ注意』…マイ街頭テレビ で ワールドカップ 観戦
大矢アキオ『喰いすぎ注意』…マイ街頭テレビ で ワールドカップ 観戦 全 5 枚 拡大写真
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 延長コードの先にあったもの

それに対してワールドカップの場合、それも国外で開催されるとき、イタリアは比較的平穏である。アッズーリ(イタリア代表チーム)への応援で、前述のように日頃地域ごとに固まって全国的なまとまりのない(?)イタリア人が一体になるからである。

4年前のワールドカップのときだ。ちょうどボクは、キャンティ地方の小さな村を訪れていた。どこからか、ワールドカップのテレビ中継の音が聞こえてきた。

半開きの格子戸からもれるサッカー中継の実況、ナイフやフォークが皿とぶつかる音、そしてパスタに絡めたトマトソースの香りは、イタリアの村で毎週末繰り返されている、けだるい午後の一風景である。珍しいものではない。

ところが角を曲がった瞬間、ある不思議な光景がボクを迎えてくれた。住民たちが各自の家から、形も大きさもバラバラな椅子を持ち出してきているのだ。片手には、各自好きな飲み物やスナックを持っている。

足元を見ると、一軒の家から延長コードで継ぎ足した電源が延びていた。その先にはテレビが1台置かれていた。MIVAR(ミバール)という、今や数少ないイタリア家電ブランドである。生協でも売られている、国民型とでもいうべきテレビだ。

ワールドカップ中継を、ご近所全員で、それも屋外で観ていたのである。一瞬、「なにもテレビを持ち出さなくても、各自の家で落ち着いて見ればいいのに」と思った。

しかし、きっとそれは違うのだろう。彼らは、4年に一度の大イベントの感動を、近所の親しい人々とより共有できるスタイルを知っているのだ。

「すわ、ゴール?」というシーンのたび、彼らを取り巻く石造りの家々に大歓声がこだまする。通りがかりの人も加わって、さらに盛り上がる。カルチョ観戦の達人たちである。そんな「マイ街頭テレビ」が、まもなくイタリアの村々で4年ぶりに復活する。

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《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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