【D視点】台所のフェラーリ? …612スカリエッティ

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】台所のフェラーリ? …612スカリエッティ
【D視点】台所のフェラーリ? …612スカリエッティ 全 12 枚 拡大写真
2
 フェラーリ612スカリエッティが誕生するまで

歴代のフェラーリのなかで『ディーノ』の人気が特に高い。日本人にはコンパクトで可愛い感じが受けるのであろうが、ディーノが若くして亡くなったフェラーリの創始者エンツォ・フェラーリの愛息のニックネームだと知るとさらに好きな人が増えそうだ。

ディーノに限らずフェラーリの人気の牽引役は、ミッドシップエンジンの2シーターにあることに異論はないであろう。スーパーカーブームの時代に注目された『512BB』もそうだが、その仲間でネーミングが印象的な『テスタロッサ』も然りだ。フェラーリ創立40周年に出された公道を走るレーシングカーのような『F40』は、バブルのさなかで2億円以上の価額で取引され話題にもなった。

【画像全12枚】

しかし、華やかな人気モデルの影で、しっかりフェラーリの台所を支えているモデルを見逃してはいけない。フェラーリのような高額車を買えるユーザーの年齢は高めであり、跳馬は好きでも、もう少しジェントルなフロントエンジンのクーペに落ち着くこととなるのだ。

台所の働き者のカミサンでは夢がないと思う人がいたら大間違い! クルマファン垂涎の的、『250GT』を見よ。1958年に発表されたモデルで、ピニンファリーナデザインのフェラーリ初の量産車だ。

ロングツーリングに適するよう2600mmというロングホイルーベースに3リットル12気筒エンジンをフロントに搭載したGTカーだが、ツール・ド・フランスその他のレースでも活躍する実力派でもあったのだ。

ワイド&ローなプロポーションにフロントグリル、ヘッドランプそしてキャビンと、あるべきものが素直なカタチで納まり、パワーベントやエキゾーストパイプなどの小物パーツでスポーツの雰囲気を盛り立てる。これ以上の本物のクルマはないといった感じの凄さが滲み出ている。

その後50年近く経過して誕生したのが612スカリエッティ。少し肥満体とはなったが、デザインの素直さやシンプルさでは、250GTの再来と見ることもできる。シンプルなデザインを、安っぽく見せないのはフェラーリしかできない技なのであろう。

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 続きを読む

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  2. 話題の日産の新型セダン『N7』がお目見え! 日本導入に期待せざるを得ない…ジャパンモビリティショー2025
  3. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  4. シトロエンの超小型EV『アミ』、初のマットブラック仕様「ダークサイド」登場…約157万円から
  5. ルノー『クリオ』新型、フランスで受注開始…約350万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る