【D視点】マゾヒズムへの入口…ロータス ヨーロッパS

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】マゾヒズムへの入口…ロータス ヨーロッパS
【D視点】マゾヒズムへの入口…ロータス ヨーロッパS 全 17 枚 拡大写真
2
 ヨーロッパSの先祖は『ヨーロッパ』か

ロータスの創始者、コーリン・チャップマンは既存のクルマを改造したレーシングカーで数々のレースに参戦後、1957年の英国ロンドン、アールスコート・モータショーに『セブン』、ロータス初のクーペボディを持つ『エリート』、さらにフォーミュラ2のレーシングカーを発表する。

バックヤードビルダー、チャップマンの夢は、スポーツカーメーカーになることであり、高価なエリートが本命で、組み立てに手間の掛かるセブンは資金稼ぎの手段であった。どちらもマーケットからは好評で迎えられたが、皮肉にもエリートは不具合等により人気も落ち早期撤退となる。

1962年にはセブンの代替として、量産の効くX型バックボーンフレームの『エラン』が誕生し、セブン並の低価額が話題になり歴史に残る成功となる。しかし、当初からの計画であった高価なGTとして『エラン+2』や『エスプリ』等を発表するが、夢だけでは成功は望めないことを証明する壮大な実験となってしまう。

一方、レース活動は順調で、1963年には早くもコンストラクターズ・タイトルを獲得、1966年にはレースカーの技術を踏まえたロータス初のミッドシップレイアウトの2シータースポーツカー『ヨーロッパ』を発表する。紆余曲折の後、セブン誕生から9年を費やしてやっと後継が生まれるという難産であった。

セブンと同様に、当時としては画期的な高性能にもかかわらず低価額が人気を呼び、その後9年間で1万台弱を生産する大ヒット作となる。

今回発表のヨーロッパSは名車ヨーロッパを連想させるが、ミッドシップレイアウトとワイド&ローなプロポーションにその関連性を見出したとしても、ヨーロッパの正統な後継と認める人はいないであろう。
  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3
  5. 続きを読む

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  2. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  3. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  4. メルセデスベンツ『Cクラス』次期型を予告、光る大型グリル採用…初のEVも設定へ
  5. 「国内にもガソリンターボを!」直6ターボ×黒アクセントのマツダ『CX-90』に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る