【D視点】マゾヒズムへの入口…ロータス ヨーロッパS

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 今は亡きチャップマンと今も健在なセブン

チャップマンは大学生の頃、古いオースティン『セブン』を改造したレーシングカーでマイナーレースに初めて参加、3作目「マーク3」で早くも当時イギリスで人気の高かった「フォーミュラ750」で無類の強さを発揮する天才振りを見せた。

1957年に2シータースポーツカーのセブンを発表するが、そのネーミングの由来が、改造のベースとなったオースティン・セブンに因んでいるかどうかは定かでない。

セブンは成功したが、既にチャップマンの興味はセブンには無かったので、生産打ち切りのチャンスをうかがっていたふしがある。しかし、マーケットの強い要望に応えて、1974年までに3000台弱を生産することとなった。

セブンの後継として誕生したヨーロッパが軌道にのった1973年には、ロータスのディーラーで、熱烈なセブン愛好家でもあったグラハム・ニアーンにセブンの製造設備、その他すべての権利を売却してしまった。チャップマンのレーシングカー設計の非凡な才能がセブンを生んだが、創造者の常として、興味は新たな夢に向かっていたのであろう。

ニアーンはケーターハムカーズを設立し、現在までセブンは生産されている。設計は古いが、レースに勝つために作られたようなセブンは、無駄を排した剥き出しのマシーンそのものであり、その潔いデザインは、天才とよばれるデザイナーのスタイリングに匹敵する魅力を発散している。

セブンと共に育ったチャップマンは50歳代半ばにして亡くなったが、セブンはケーターハム・セブンと名を変えて今も健在だ。セブンのデザインの魅力について、チャップマンは生涯気づくことは無かったようだ。
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《松井孝晏》

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