【D視点】フォード マスタング…ハッピーな青春の車

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】フォード マスタング…ハッピーな青春の車
【D視点】フォード マスタング…ハッピーな青春の車 全 14 枚 拡大写真
1
 青春時代の夢を現実に、ラストチャンス

終戦直後、進駐していたアメリカ兵にもらったチョコレートの味を覚えている子供は、アメリカびいきが多い。筆者も『マスタング』と聞くと、つい血が騒いでしまう。

新型マスタングの予約受付が6月23日より開始されたが、発売は今秋。敢えて先行お披露目するからには「相当な自信作ではないか」と、期待も膨らむ。

気になるデザインだが、クラウチングスタイル、ロングノーズとショートデッキ、サイドのスクープ、3連テールランプ、そして独特のフロントマスクと、初代マスタングの主要なアイコンが再現されており、歴代の中で初代を最も強く意識したモデルであることが判る。

シャープなグラフィックスのパーツ類と直線的で硬質な面構成のボディは、ひところのイタ車のような雰囲気もあり、初代の伝統を引き継ぎながらアーキテクチャーを一新するとの狙いは、一応達成されている。

クーペとコンバーチブルの2車型で、寸法は全長4765mm×全幅1880mm×全高1385mm(クーペ)。スクエアなスタイルは大きく見えるが、寸法的には日欧のクルマと比べて大差なく、価額も390万−530万円とリーズナブルだ。5速オートマチックトランスミッションと組み合わせたエンジンは4.6リットルV8と4リットルV6が用意され、それぞれ300馬力と210馬力を発生するので走りにも不足はない。

かんなで削り取ったスタイルで40年の若返りを計ったわけで、桐箪笥のリニューアルほどには上手くいっていないものの、戦中派にとっては青春時代の夢を現実にするラストチャンスであろう。アメリカン・スペシャリティだけではなく広くアメ車の復活を望むのは、単にアメリカのカーメーカーのみではない気がする。

D視点:デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---東京造形大学教授、デザインジャーナリスト。元日産のデザイナーで、社会現象となった『Be-1』をプロデュースした。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 続きを読む

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 「妄想が現実になった」トヨタがAE86のエンジン部品を発売へ…「復刻だけじゃない」その内容に驚きの声
  3. ヤマハの3輪スクーター『トリシティ』が進化! SNSでの注目は「デザイン」と「屋根が付くか」
  4. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  5. 「動画を観る」もっとも良い方法とは? トヨタ車純正ディスプレイオーディオ搭載車の場合は?[車内エンタメ最新事情]
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る