日産自動車はウェブサイトに力を入れている企業のひとつだ。日本にインターネットというもの広がりだしたころには他の自動車メーカーに先駆けるように「羅針盤」という名のウェブサイトを開設していた。以後も日産はウェブを使った広報を続けている
メーカーのウェブサイトというものは、メーカーが情報(自動車メーカーであればクルマのスペックなど)を一方通行で伝えるものだった。ユーザー=消費者は与えられる情報を一方的に受け取るしかなかった。それは日産も同様だ。
しかし、Web2.0時代に入った最近では“見せ方”に変化が出てきた。日産は他の企業に先駆けてブログを導入。コメントやトラックバックというかたちで消費者側の立場で企業が提供するウェブに参加することが可能になった。
日産自動車・マーケティング本部の工藤然さんは「夏から秋に掛けてのキャンペーンとして実施している“DRIVE NAVI−みんなのドライブ情報局”ではサイトを利用するお客様からブログにコメントを寄せてもらうだけではなく、ドライブスポット情報の提供を受けられるようにしました」と語る。
これはいくつかのテーマに基づき、ユーザーが自分の推奨するドライブスポットを投稿するというもの。写真の投稿も受け付けるが、情報の掲載は日産側がスポットの確認を取った後になる。スポットの情報は地図にポイントされるが、この地図にはGoogle Mapが使われている。「Google Mapをこういう形で使用するのも今回が初めて」(工藤さん)というが、新しいモノをいち早く取り入れるところに日産らしさも感じる。
投稿された情報は掲載以後「日産のコンテンツ」として扱われる。この情報に対し、別のユーザーが「ここに行きたい」と評価を入れることも可能になっている。日産のウェブサイトを介し、ユーザー同士が情報を共有できるというわけだ。