富士キメラ総研は、車載電装デバイス&コンポーネンツの世界市場調査を実施し、その結果をまとめた。
それによると簡易タイプのポータブル型カーナビシステム市場は、2005年が2656億円だったが、年平均17%の成長で2011年には6962億円と、2005年比2.6倍になると予測している。
調査は従来型カーナビに対して、欧州を中心に急速に普及している液晶サイズ5インチ以下のポータブルタイプの市場を分析した。この市場は2003年以降拡大しており、特に欧州では2005年には400万台を超え爆発的に伸びた。北米市場も2005年は約70万台となり、欧州同様に拡大の可能性がある。
従来型カーナビも海外市場では装着率が上昇基調にあり、高級車向けを中心に拡大が見込まれる。しかし、簡易ポータブル型カーナビはオプション設定が増えて拡大する余地があり、従来型のメーカーにとっては無視できない存在となっている。多くのメーカーが2006年から簡易ポータブル型ナビに参入している。2004年から急拡大したオランダのTomTom、2005年後半から巻き返しを図る米Garmin、台湾MiTACが3強。
日系メーカーは2005年にソニーが先行して参入し、2006年にはパイオニア、クラリオン、アルパインなどが参入した。現在は性能面で精度が低いとされるが、いずれ解決されると見られる。
また、ビデオプレーヤーなどAV機能が付加されつつあり、機能面での違いも液晶画面の大きさ以外無くなっていくと予想される。このため、高級車にも浸透することが予想される。従来型ナビは、コンソールとの一体感や車両制御との連結などのユーザーメリットを出して、取り込むことが課題となると、している。