内外装は“エボIX”に多少を手を加えた程度なので、それほど大きな進化は感じられないが、エボ史上初採用のアイバッハ製スプリングと、それに合わせてチューニングが施されたビルシュタインダンパーの組み合わせはよかった。
コーナーでの動きにしなやかさが増し、コントロールの許容範囲が広がっているので、サーキットの連続走行では、ラクに速いタイムを連続して刻めるようになった。エボIXのような切れ味のあるフィーリングも捨てがたいが、『MR』の乗りやすさも魅力的だ。
最終進化を迎えた「4G63」型ターボエンジンも、タービンに改良を加え、フィーリングとレスポンスを向上させているが、エボIXにもオプション設定されていたマグネシウム合金製コンプレッサーホイールほどではない。
このエンジンを搭載したランエボは、このMRが最後。もはや、これ以上進化をさせることができないぐらい熟成されたエンジンを搭載したMRは、エボファンならずとも魅力を感じる。
■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★☆☆☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★☆
岡島裕二| モータージャーナリスト
20代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。