三菱自動車が研究車両として公開した軽規格の電気自動車「i MiEV」が過去のMIEVと異なるのは、1モーター方式であるということ。これはi MiEVが軽自動車であるというのも理由のひとつだ。
インホイールモーター式の長所のひとつに、モーターを駆動輪の数だけ増やすことができるため、最高出力を簡単に引き上げることができるということがある。200kWのモーターを作るのが大変なら、50kW×4の4WDにすればいいという理屈だ。
が、軽自動車の場合、自動車業界の自主規制値として、最高出力は事実上47kW(64ps)に制限される。モーター1基で必要十分なのだ。
「中長期的にはインホイールモーターも捨てていない」(三菱関係者)とのことだが、電気自動車を普及させるためには、ガソリン車よりはるかに高い車両価格の低減は必須。軽自動車i MiEVがコンベンショナルな1モーター式を採用するのはきわめて合理的な選択なのだ。
なお、i MiEVがインホイールモーターを採用しなかったことで、三菱は次世代電気自動車の呼称MIEVをMiEVに変更した。前者のIが「In-wheel motor」であったのに対し、後者は「innovative(革新的な)」を意味している。