お洒落で気さく、ちょっと高級なスニーカーって感じの万能車。ドイツ製というと、機能と品質は最高だが、なんとなくエラそうで息苦しいこともある。そこをスパ〜ンと取っ払ってくれたのが『クロスポロ』。
小さなボディに17インチタイヤという組み合わせも、大人の靴を履いた子供みたいで愉快だ。ライムやオレンジの外装色に室内をコーディネートするなどセンスも軽い。
でも、可愛いだけだと思ったら大間違い。エンジンが1.6リッターに拡大されたうえ6速ATなので、どこからどう踏んでもグイグイ強力に行ける。
地上高も上がっているが、それほど腰高感も出ない。ちょっとタイヤが重いので足まわりにドタバタ感があるが、あまり体には伝わって来ない。
そんな細かいことを気にせず、じゃんじゃん道具として使い倒すと値打ちがわかる。ヘビーデューティー感覚のアウトドア・ファッションで街を歩くようなもの。とにかく乗るだけで不機嫌も直るアーバン・プチSUVだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。