これまでの一般的な常識からすれば信じられないほど静かで滑らかな新世代ディーゼルエンジン搭載の、メルセデス・セダン。そのうえ驚くべき高性能でもある。
それも低回転からガソリン5リッター級を凌ぐトルクを生むと聞けば納得だろう。軽く踏んだだけで、そこらの自称スポーツカーなど簡単に置いてけぼりだ。
燃費も驚異的で、アウトバーン的なクルージングでも確実に1リッターあたり13kmは行ける。東京の渋滞で10km/リッターを超えることも珍しくない。車速が80km/hコンスタントなら19km/リッター以上! こんなにフル装備のビッグセダンとしては驚異的だ。
もっとも、静かとはいってもディーゼルらしさは残る。とくに始動や発進の瞬間など、軽いガラガラ音が耳につく。ディーゼルに乗れば乗るほどガソリンのよさがわかるというのは本当だ。でもこれからの時代、環境(温暖化ガス排出量)のことも考えると、こういう響きこそ先進の象徴に見える可能性もある。それが「いい人」の印だったりして。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。