BMWとしてはひさびさのターボエンジンを積むモデル。名前は335だけど、実際の排気量は3リッターである。
ターボエンジンにありがちなターボラグがほとんどなく、非常に扱いやすい。さらに回転を上げていくと3リッターと思えないくらいの加速力を、NAエンジンとはまた違ったタイプの気持ちよさをともないながら体験できる。BMWが主張する「3リッターの排気量で4リッター級の動力性能」というのは適当な表現方法だろう。
乗り心地も現行『3シリーズ』のよさがそのまま引き継がれており、「硬いけれど乗り心地はいい」という好ましいタイプに属する。また、ハンドリングも重量の面でそれほど不利にならないターボを使っているのでノーズヘビーな感じはなく、細かいコーナーが続くワインディングロードでも軽快に駆け抜けることができる。
700万円オーバーの価格は一般的ではないものの、4人乗車もじゅうぶんこなすくらいのスペースがあるところも魅力的。NAエンジンを積んだクーペの登場も期待したい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★☆☆
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、『CARトップ』、『ベストカー』などに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。