【EVS22】スバルの新型リチウムイオン電池

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【EVS22】スバルの新型リチウムイオン電池
【EVS22】スバルの新型リチウムイオン電池 全 3 枚 拡大写真

03年東京モーターショーで小型電気自動車(EV)『R1e』を参考出品して以降、ラミネート型マンガン酸リチウムイオン電池の開発、東京電力との実証実験開始と、着々と次世代EVの開発を進めてきたスバル。

EVS22では「R1e」の試乗車を提供するとともに、ブースでは最新のEV技術を公開した。東京電力ブースと通路を挟むかたちで展示されたのは、スバルブランドを前面に出したR1e。東京電力の展示車と同様、急速充電設備を使えばバッテリー総電力量の80%を15分でチャージ可能な次世代EVだ。

また、技術展示では正極材料に新たにバナジウムを使用した新型のリチウムイオン電池がお目見えした。ハイブリッド車用バッテリーでは、瞬発力に関係する質量出力密度が重視されるのに対し、電気自動車は電極材料の重量に対してどれだけエネルギーを貯められるかという質量エネルギー密度が重視される。

この新電池はその質量エネルギー密度が飛躍的に向上しているのが特徴で、試作品のスペックは200Wh/kgと、従来材料では170−180Wh/kgと言われていた飽和点をあっさりクリア。さらに将来的には50%増の300Wh/kg程度まで増強できる見通しだという。

電池の世界では、ポリアセンなどの有機半導体材料を負極に使い、高性能化をはかる技術なども出現している。大型車を長距離、長時間駆動する密度にはまだはるかに及ばないが、それでも電気自動車のキーテクノロジーであるバッテリーの進化はとどまるところを知らない。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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