朝刊から気になるニュース、気になる自動車関連記事をピックアップ、その内幕を分析するマスコミクルージング(原則として朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版を対象にチェック)。
2006年12月14日付
●三菱自タイヤ脱落、虚偽報告だが無罪、簡裁判決「大臣要求でない」(読売・1面)
●冬のボーナス88万円大手企業平均(読売・10面)
●ガソリン価格13週連続下落(読売・11面)
●トヨタで契約満了の期間従業員、関連会社に紹介へ、正社員前提(朝日・12面)
●いすゞ、派遣1361人を直接雇用3カ月契約、不安の声も(朝日・12面)
●新型「エルフ」排出ガス抑制、いすゞ13年ぶり改良(朝日・13面)
●本間税調会長、週刊誌報道に釈明、宿舎入居は「適正」でも「近く転居」(毎日・2面)
●社説・三菱ふそう、虚偽報告無罪でも罪は残る(毎日・5面)
●トヨタの世界、外部の血、一体感の「刷り込み」課題(東京・8面)
●ウィニー開発者、有罪判決、ネットの闇、果てなき対策(日経・3面)
ひとくちコメント
三菱自動車(三菱ふそうトラック・バスに分社)製の国土交通省へのリコール虚偽報告をめぐる判決公判で、横浜簡易裁判所は宇佐美隆元会長ら3被告と三菱自動車(当時)に無罪を言い渡した。
判決は会社側の一連の報告、説明は「虚偽」と認定しながらも、法律に基づく国土交通相の報告要求が存在せず「犯罪は成立しない」と判断した。きょうの読売、毎日が1面トップ、各紙も準トップ扱いで大きく取り上げている。
また、毎日は「三菱ふそう、虚偽報告無罪でも罪は残る」と社説に掲載、各紙が社会面にもタイヤ脱落で死傷した遺族や監督官庁の国土交通省幹部のコメントを中心に「なぜ、無罪耳を疑う、国交省、戸惑い隠せず」(読売)、「無罪、怒り・戸惑い」(朝日)、「無罪に、頭真っ白」(毎日)などと報じている。
朝日の社会面には「給料激減、離婚、そして辞職」という三菱自動車販社の元営業マンの心境を綴った涙をさそうコラムも掲載している。2000年7月に三菱のリコール隠しが発覚して以後、各方面に大きな影響を及ぼしてきたが、「嘘をついても、罪にならない」という今回の判決は、子供の教育問題にも一石を投じそうである。