『AD』、『ADエキスパート』にはビジネスカーならではの新装備が満載だ。助手席を前方に折りたたんだ状態からパソコンも置けるテーブルが登場する。ふつうならカーナビ画面がある場所にはホワイトボードが備わる。どちらも「AD」、「ADエキスパート」とも全車標準装備。
しかも、ビジネスバックの置き場所を確保するため、サイドブレーキを足踏み式に変更して、左右のフロントシートの間を鞄置きにした。また、グローブボックスには、分厚いA4ファイルがそのまま入る。タイアのトラブル時には荷物を下ろさずにスペアタイア交換ができることなども、実用性重視の仕様だ。
ビジネスカーは利用するビジネスパーソンからすれば朝から夜まで行動をともにする移動オフィス。書類、ノートパソコン、携帯電話を使うだけでなく飲み物を飲んだり、食事をとる場所でもある。
開発を担当した日産自動車商品開発本部の塚越雄二氏によれば、担当者がビジネスカーの利用現場に出向き、現場を見て作られた装備だとしている。発表会では、電話がかかってきてとっさにホワイトボードにメモをとるデモも行なわれた。
肝心の荷室サイズもクラス最大を目指したという。サイズの基準となるA4コピー用紙箱が91箱、みかん箱の積載可能数も42箱と旧型や競合車を上回り、長さが1910mmの京間畳が積載できるのもクラス唯一。積み残しがあれば出直したり別送を余儀なくされる荷物車としての性能も手抜きはない。