−−従来五角形であったランチアグリルが、ランチアJでは三角形になっているのはなぜですか。
フミア 五角形のグリルは、いまやランチア独自のものではなくなっています。マツダ、ホンダ……。ランチアJの新しいグリルは、ランチアの元々のエンブレムの形状を基にしたのはお気づきでしょうか。(1)シンプルで、(2)ランチアのエンブレムに忠実で、(3)オリジナルなデザインを目指しました。
スケールモデルでは、グリルの縁取りが太く感じるかもしれませんが、実際のサイズでは、存在感を与える適正な太さに見えるはずです。大きな口ではなく、小さな口に見せているのです。
−−フミアさんの考えるランチアデザインに必要なものとは何ですか。
フミア ビンチェンゾ・ランチアの頃のランチアこそ、真のランチアです。技術的にも先進性があり、デザインもアヴァンギャルド。個性的で魅力に満ち溢れたエクスクルーシブな存在でなければいけません。
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2005年10月、銀座の某ランチスタの宴席から始まった、ランチア100周年を記念するランチアJの夢物語は、日本のランチスタのみならずアルフィスタ達などの協力のもと、具体的な企画となる。その後フィアット・グループの協賛を得て、ランチアJとして06年10月、1/4スケールモデルが発表された。車名の「J」は、フミア氏の日本の“友人達”への想いなのだ。